頭皮がべたつくほど脂が出るのはハゲるという理論を徹底解説
頭皮が脂っぽくてベタベタする・・・これって脂肌の体質のせい?それともシャンプーの仕方が悪い?シャンプーが頭皮に合っていないせい??
現実はどれも不正解。本来皮脂は頭皮のバリアのために適正量分泌されるものであり、生まれ持った体質でべとべとになってしまうということはまずありません。
シャンプーの仕方が悪いというのも間違いであり、シャンプーが悪いから脂でテカってしまうという理論は間違いです。そもそもシャンプーは頭皮の表面の汚れを落とすだけであり、どれだけいいものを使っても皮脂分泌そのものをコントロールする効果効能はありません。
ではなぜべたつくほど皮脂が分泌されるようになってしまうのか?
皮脂分泌のメカニズムや、なぜ過剰な皮脂分泌がAGAの予兆ともいわれるのかを詳しく解説していきます。
頭皮の多量な皮脂分泌がAGAと関係あるメカニズム
髪の毛が生えている毛穴の1本1本には、それぞれ皮脂腺というものがあります。この皮脂腺から脂が分泌されることで、乾燥から皮膚を守り異物が毛穴の奥に浸透しないようにバリアを張っています。
本来であれば多くも少なくもなく、適正量の皮脂が分泌されるように調整されるはずですが、その調整機能を狂わせてしまう要因の一つにAGA(男性型脱毛症)のメカニズムが関係しています。
下記の図が、AGAの原因物質DHT発症のメカニズムと、薄毛になる原理をまとめたもの。
皮脂腺や毛乳頭細胞の中に存在する5αリダクターゼ酵素が、男性ホルモンテストステロンと結合してDHTジヒドロテストステロンが発生します。このDHTが髪の毛の元となる毛母細胞を攻撃して活動できなくするため、成長途中の毛が抜けたりやせ細ってハゲていくのが現在判明しているAGAの仕組み。
これにとどまらず、皮脂腺に存在する酵素がDHTに変換されると、皮脂腺を刺激してしまい過剰な皮脂を分泌させてしまうことも分かっています。
このため皮脂でベトベトした頭皮になり、かゆみや炎症が起きやすい悪い頭皮環境を招くという悪循環に発展してしまうのです。
ハゲの人ってやたらと頭皮がテカテカしてると気になったことありませんか?これは主にDHTの影響によるところが大きく、体質などとは異なる原因が存在するのです。
頭皮の皮脂分泌が以上に多く脂肌になっている場合には、放っておくと男性型脱毛症AGAで薄毛になる可能性が高く、早期に対策をすべき症状といえます。
最適な皮脂分泌で快適な頭皮を保つ方法はある?
皮脂分泌を過剰に促進させているのが、DHTであることが分かったら、このDHTの発生を抑えるための対策が必要になります。皮脂の分泌を適正な状態に保つことが、イコール細胞内でAGAの薄毛の原因を取り除くことになります。
DHTの抑制方法はAGA治療方法そのものでもあるため、育毛剤を使った治療方法を選択していくことが皮脂の適正化にもつながっていきます。
医薬品による治療方法は皮脂に関して効果ある?
薄毛治療薬としてDHTの発生を抑える効果があるのが、医薬品育毛剤であるプロペシアによる治療です。
プロペシアは皮脂腺に存在する5αリダクターゼ酵素の働きを抑制する効果に優れており、テストステロンとの結びつきを阻害してDHTができなくしてくれます。
しかしここで注意!
プロペシアは薄毛の直接原因となりうる毛乳頭内のⅡ型5αリダクターゼは抑制できますが、皮脂腺にあるI型の抑制効果はありません!皮脂の抑制だけを考えた場合には、プロペシアは特効薬とはならないのです。
薄毛治療としては基本ともなる効果を発揮できますが、プロペシアに頭皮のベタベタまで改善する効果はないということを覚えておきましょう。
Ⅱ型まで抑制する医薬品としてデュタステリドというものもありますが、現在は薄毛治療への効果が曖昧で副作用も強かったため開発は中止されています。
効果が弱いながらノコギリヤシがⅠ型Ⅱ型を抑制する
育毛サプリなどに使われるノコギリヤシエキスを配合した育毛剤・サプリメントは、I型、Ⅱ型ともに抑制する効果があるとされ一定の効果が期待できます。
ただし医薬品として効果を高めたものではなく、天然の成分そのままを使っているため高い効果までは期待できないのがもどかしいところ。
効果が出るまでに時間がかかるのは髪の毛と同じですから、毎日欠かさず飲み続けて最低でも3か月から半年と経過を見ながら使っていく必要があります。
それでも一時的しのぎでしかないシャンプーにお金をかけるよりも建設的です。皮脂が多くて何か対策をしていきたいというのであれば、検討していく価値がある対処法です。