ポラリス育毛剤の個別の比較表と成分評価
アメリカ製の育毛剤で、ポラリスという育毛剤が長く人気を集めています。
育毛剤というと、毛髪研究の先進国はアメリカ。現在発毛医薬品として効果が認められており、日本皮膚科学会も推奨する成分である「ミノキシジル」「フィナステリド」といったものはすべてアメリカ発の成分です。
ポラリス育毛剤は、この根拠ある医薬品成分をこれでもか!と配合しており、外用(塗るタイプ)の育毛剤としては最強ともいわれるゆえんとなっています。
ポラリスシリーズは現状個人輸入代行業者で購入することで手に入る育毛剤です。海外の育毛剤としいうと、なんとなく品質に不安がある人も多いと思うのですが、怪しさをフっ飛ばして思いのほか良い評価を得ているのです。
個人的には個人輸入代行で買う育毛剤は、出所の不確かさや、万が一の際の保証が何もないことから安易に使うべきではないという考えです。
ただ、ネット上でも多数評価されている育毛剤だけになにも検証しないまま終わるのは悔しいと思い、今回ポラリス育毛剤シリーズについて詳しく調べたことをまとめてみました。
ポラリス育毛剤シリーズの比較早見表
まずポラリスは1種類の育毛剤ではなく、成分が異なる複数のラインナップが展開されているのが特徴です。現行で販売されているポラリス育毛剤の大まかな比較表は以下の通りとなっています。
ポラリスシリーズ | ミノキシジル濃度 | その他成分 | 特徴 |
---|---|---|---|
ポラリスNR7 | 5% | アゼライン酸2%、リンゴポリフェノール、アデノシン、Lリジン、オレアノール酸、ビオチン | ポラリスのエントリーモデル。ミノキシジル濃度は5%だが、リアップと異なりクリームを塗るような使い心地の育毛剤。 |
ポラリスNR8 | 7% | アゼライン酸5%、リンゴポリフェノール、アデノシン、Lリジン、オレアノール酸、ビオチン、銅ペプチド | リアップよりも強いものを求める場合こちら。アゼライン酸は、悪性男性ホルモン抑制作用もあるとされる天然成分。頭皮への影響が心配な人向き。 |
ポラリスNR9 | 15% | リンゴポリフェノール、アデノシン、プロシアニジンB2、成長因子、ビタミン群、リポソームカプセル | ミノキシジル濃度を一気に上げた育毛剤。成長因子を配合しており、AGA意外の老年性脱毛などに相性が良い。 |
ポラリスNR10 | 16% | フィナステリド、プロシアニジンB2、銅ペプチド、成長因子(VEGF)、アラントイン、コラーゲンペプチド、エラティン、ペプチド結合体、ビタミン複合体 | 最高濃度のミノキシジル。フィナステリドも配合し、育毛に良いものを詰め込んでいる。進行した薄毛に効果あるとの口コミが多いが、濃度が濃くてベタつきがひどい。 |
ポラリスNR11 | 12% | フィナステリド、アルフォトラジオール、パンテノール、イノシトール、アセチルメチオニン、ポリソルベート80、ミリストイルペンタペプチド17 | ポラリスシリーズの中でも使い心地がマイルドで、頭皮にかゆみが出たりする場合に使いやすい。液がガリガリ結晶化しにくい。 |
表を見ていくと、成分の濃度や配合されているものに大きく開きがあることが分かります。
医薬品は効果が高い反面、人体への影響が強く副作用が出る場合もあるもの。特にミノキシジルに関しては、ミノキ焼けとも異名が付くほど、頭皮が荒れて赤くなったり、かゆみが出るなどのトラブルを経験している人が多く、過剰な濃度の成分は逆効果でハゲる原因にもなりかねません。
この点を考え、頭皮の状況や皮膚の体質などに合わせて、最適な育毛剤が選べるようになっているというものです。
ポラリス育毛剤について個別に検証をしていく
ポラリス育毛剤は、
・ポラリスNR7
・ポラリスNR8
・ポラリスNR9
・ポラリスNR10
・ポラリスNR11
と5種類のラインナップがあります。
共通して配合されているのはミノキシジルですが、それぞれ濃度が異なっています。
また必ずしも番号が大きくなればなるほど強力という訳ではなく、実際に使った際の使い心地にも差があるような成分構成になっているのです。
ミノキシジル以外にも配合された成分には異なる育毛への作用があるため、どの薄毛の症状にはどのポラリスを使うのがベストなのか?という点について解説をしていきます。
ポラリスNR7はエントリーモデルな位置づけ
ミノキシジルの濃度は5%であり、最も低濃度なエントリーモデルとしての位置づけ。
同じミノキシジル5%ならば、薬局でも買えるリアップX5がありますが、それ以外にも毛根の成長を促進するリンゴポリフェノール、資生堂が研究開発したアデノシンという発毛促進成分を配合しています。
興味深いのは、アゼライン(アゼライク酸)の配合。北米原産の穀物から取れる成分で、男性ホルモン由来でできる脱毛因子の生成を抑える作用があるのです。
頭皮の健康に欠かせないビオチンや、毛根に栄養を与えるLリジンも配合。ポラリス入門用としては十分な成分を配合しており、評価が高いことをうかがわせる構成になっています。
ポラリスNR8は初期の薄毛や部分的な薄毛に使う
ポラリスNR8は、ミノキシジルは7%と少し濃度アップ。
NR7に加えて銅ペプチドを配合しています。銅ペプチドは髪の毛を育てている毛包という部分に作用し、髪の成長期を伸ばして抜けにくいヘアサイクルに整てくれる成分。
より効果を求めたい場合や、進行が速い生え際の薄毛などに使っている人が多いのがポラリスNR8です。
ポラリスNR9は一気にミノキシジル濃度が上がる
ポラリスNR9になると、ミノキシジルは15%と一気に濃度が上がります。
ミノキシジルは濃度が高いほど長時間作用し、頭皮の毛細血管を拡張して、毛根の細胞の再生を促してくれるとされています。成長因子も配合しているため、より「発毛」という効果を意識した成分構成になっているのが特徴です。
頭皮への影響も強いため、ミノキシジルで副作用が出ない体質であると分かっていたうえで使うのが大前提となります。
ポラリスNR10は進行したAGA症状で地肌が見えてる人
ポラリスNR10はミノキシジル16%とポラリス最高濃度。リアップに比べれば3倍以上となっています。
配合される成分も、いかにもアメリカらしいクオリティで、医薬品育毛成分で双璧をなすフィナステリドをはじめ成長因子配合と詰め込まれていますね。
フィナステリドは、男性の薄毛の8割ともいうAGAという薄毛症状の治療薬で、男性ホルモン由来の脱毛因子が髪の成長サイクルを乱すのを改善してくれるものです。
本来は錠剤としてのむことで作用しますが、塗り薬に使われるなら頭皮へピンポイントで作用できると言うことなのでしょうか。フィナステリドの服用以外の処方に関しては、また情報を仕入れ次第追記したいと思っていますが、とにかく成分は最強のものを使うというならばポラリスNR10という選択になります。
ポラリスNR11は使い心地がマイルドになった育毛剤
ポラリスNR11は、番号は上がりますがミノキシジル濃度が12%と少し下がります。これでも十分濃度が高いのですが、使い心地がマイルドに、ベタつきが少ない溶剤が使われているものとなっています。
頭皮のかゆみはミノキシジルだけが原因で起きるとは限りません。ミノキシジル以外にも、配合される育毛剤の溶剤(アルコールや合成油脂)によっても引き起こされる可能性があります。
ポラリスNR11は成分を改良して、NR10よりも頭皮への影響を抑えているとしています。
どのみち薬効成分が高濃度であることに変わりがないため、使う場合には目立たない場所に少しづつ塗って使うようにして、異常があればすぐに洗い流すなど様子を見ながら使うべきですね。
ポラリスを購入する前に、念のために医薬品育毛剤の相性をチェックしよう
ポラリス育毛剤を使ってみようと思う前に、冒頭でも少しふれたように安易に個人輸入をすることは推奨できません。
大前提として、国内ではポラリスは認可を受けておらず、一般には市販されていないということがあります。国内医薬品で市販されているのは、大正製薬が販売するリアップがミノキシジルを配合しています。しかし、その濃度は5%にとどまる上にポラリスとは使い心地なども含めて大きな違いがあるのです。
過剰に副作用の心配ばかりする必要はないのですが、万一の際に頼るところがないのは大きな不安です。実際に私も大丈夫だろうと使って、見事に頭皮が真っ赤になった経験があります。
ポラリスを使う前に、まずは薄毛治療を専門としているクリニック(AGAクリニック)を受診し、一旦検査と治療をしてもらったうえで副作用がでないことを確認しましょう。
それが面倒な場合・近くにない場合には、医薬品よりは効果は落ちますが、市販の医薬部外品にて成分評価の高いものを使っていくことをおすすめしています。薄毛の初期の段階や、最近抜け毛が増えてきてまだ髪の毛はあるという状態であれば、医薬部外品でも改善が見込めるからです。
進行した薄毛を改善するなら、まずは薄毛治療院で一通り検査と処方をしてもらい、その後に個人輸入などで安く使っていくのはありだと思います。副作用が不安な場合には、できるだけ早い段階で市販の育毛剤を使っていくこと。
それぞれのメリット・デメリットを理解するのが大事。自分が取りうる選択肢はたくさんあることを冷静に考えて、使っていくべき育毛剤を決めましょう。