貧血になると髪がやせ細り抜け毛になる?原因と対処法
当サイトにおいて、「貧血になりやすい人は薄毛になりやすくなりますか?」という問い合わせをいただきました。
貧血は女性が特になりやすいですが、男性でも悩んでいる人は多く、頭が痛くなったり血液に関することなので、薄毛に繋がるのではないか?という疑問です。
貧血と薄毛の関係性として、貧血になると髪の毛の成長に影響はあるのか?という点や、貧血を起こさないためには日常のどのような部分に気を付けるべきかをまとめています。
貧血が髪の毛の成長において無視できない理由
貧血とは、血液中の赤血球及び酸素を運ぶヘモグロビンという色素が減少し、体全体の酸素が基準値よりも少なくなることで起こります。
赤血球が酸素を運んでいるので、赤血球が減少すると酸欠が起こり貧血の症状が出るのです。赤血球は酸素と同時に栄養も運ぶため、貧血になると髪が栄養不足になるのです。
髪の毛を作っている細胞は、血液から栄養を受けて細胞分裂を繰り返し、髪の毛を作り上げていきます。血液から運ばれてくる栄養素が少なくなれば、髪の成長は委縮し、細く弱弱しい髪の毛になったり、成長途中で抜け落ちてしまうなどの症状が危惧されます。
育毛剤に配合される成分でも、「血行促進」と「栄養補給」はセットのように使われており、この2つが不足することは髪の毛に良くないということ。
一時的に貧血症状になっているのであればよいですが、慢性的に貧血を繰り返していたり、貧血気味であると自覚症状がある場合には貧血を予防する対策をしていくようにしましょう。それが薄毛の予防、髪の毛の抜け毛予防へと繋がるのです。
日常生活で貧血にならないために出来ることを始めていきましょう。
貧血の一番の原因は鉄分不足によるもの
貧血予防において最も重要なこととされるのは、血液を生成するために必要なミネラル分が不足しないようにすること。
昔よりも貧血の人が増えたのは、インスタント食品やコンビニ弁当が増えたためと言えます。インスタント食品に入っている添加物、その中のリン酸が鉄分の吸収を抑えてしまうのです。また、ダイエットをして食事制限をしている人は鉄分不足になりやすいです。
貧血を予防するにはインスタント食品を食べないのは大前提として、鉄分の豊富な食物を食べることです。
鉄分の豊富な食物としては、
- ほうれん草
- 小松菜
- レバー
- 煮干し
- 牛肉
が有名ですが、実は鉄分には2種類あって、ほうれん草や小松菜など野菜に含まれる鉄分は、非ヘム鉄といって体への吸収力が非常に低いことが分かっています。非ヘム鉄は体への吸収力が1から6%と非常に低く、ほとんど吸収されずに排出されてしまうため効率が悪いことがわかっています。
血液を作るために必要なタンパク質やミネラルも含む肉類、魚介類、を食べると良いでしょう。
動物性の食材に含まれる鉄分はヘム鉄というもので、吸収率が10から20%と非ヘム鉄の数倍になります。肉類は髪の毛の元となるアミノ酸も多く含み、タンパク質も多く摂取できることから育毛に良い食事の代名詞です。
レバーを食べれない人は非ヘム鉄の吸収を高める工夫を
レバーは鉄を多く含む一方で、ビタミンA過剰摂取にならないように注意が必要な食材でもあります。
レバーや肉類が食べれない場合や、脂質をあまりとりたくない場合は、植物性の特に海藻のわかめは鉄分のほかにカルシウムも豊富なので積極的に食べるべき食物と言えます。
非ヘム鉄に限らずですが、鉄分の吸収を助ける成分としてビタミンCとクエン酸があります。野菜から鉄分を取るときには、グレープフルーツやブロッコリーなどビタミンを多く含む食材を取ることで吸収効率を高めることができます。酢や梅干などは胃酸の分泌を高め、鉄分の吸収を助ける効果がありますので、食後に梅干しを1つ食べるのもいいですね。
コーヒーや紅茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまうので、ガブガブと飲み過ぎには注意。貧血気味で鉄分を多く摂取したいのであれば、コーヒーはおやつや間食の時の留めておき、食事のときはできるだけ「水」かカテキンを含まない「麦茶」を飲むといいでしょう。
鉄を含んだヘム鉄サプリなども売られていますが、鉄分の摂りすぎもよくはなく、厚生労働省の基準では1日の上限は40㎎とされています。
鉄分の摂取推奨量は、成人男子で1日7.5㎎、成人女子で10.5㎎となっています。
実は鉄分は調理で使用するステンレスの鍋からも微量にじみ出ているため、普通に食事でとっていればサプリは必要のない摂取量に達します。例えばヒジキの煮物1人分で、約8㎎と成人男子の摂取目安をカバーできる量が含まれています。もちろん吸収効率なども考えねばなりませんが、鉄の多い食材を少し意識して食べるようにすれば問題ない量なのです。
参考:鉄分の多い食材と鉄分の含有量
参考書籍:改訂日本食品成分表2016より
育毛課長によるまとめ
結論、貧血になりやすい人は薄毛にもなりやすいと言えます。ただし、必ずしも薄毛になるわけではなく、髪の毛の成長には間接的に良くない影響を与える可能性があるということは覚えておきましょう。
貧血はそれだけでつらいものですが、日常の生活で改善する余地も十分に残っていますので、まずは貧血に効果のある食物を摂っていきましょう。