コラーゲンを育毛に活用する理論と17コラーゲンについての誤解
肌によいと言われているコラーゲンですが、頭皮の70%を構成する成分であり、育毛への有効性が分かってきています。特に年齢と共に頭皮が固くなる「硬化」へ作用することが分かってきており、健康な血流を維持して髪が育つ頭皮を維持していくためにはなくてはならないものなのです。髪の悩みを持っていて、コラーゲンと薄毛の関係が気になっている人へ、コラーゲンが髪に与えるさまざまな影響や、普段の生活で意識していくべきことについてまとめています。
そもそもコラーゲンとは皮膚を構成するタンパク質
髪の毛とコラーゲンの関係について説明する前に、そもそもコラーゲンとは何なのかについて簡単に説明しましょう。
コラーゲンは体のあちこちに存在し、皮膚や骨(軟骨)、腱、爪や髪などで、結合組織の重要な成分になっています。
人の体は、水分が60~70%、タンパク質が20%で、残りは脂質や糖質などでできています。コラーゲンは、このタンパク質の1種で、体全体のタンパク質のうち、コラーゲンが30%と多くを占めています。
コラーゲンが最も多いのは皮膚です。頭皮などを含む皮膚の70%はコラーゲンです。皮膚は、一番上から角質層・表皮・真皮・皮下組織の順に層構造になっており、コラーゲンはこのうちの真皮の組成成分で、真皮の70%を占めています。
コラーゲンは皮膚の真皮にあって、肌の弾力性やしなやかさなどを保つ役割を果たしています。その他の部位では、たとえば、コラーゲンにカルシウムが結合することで新しい骨が作られるなど、コラーゲンは健康な体にとって欠かせない成分の一つです。
コラーゲンの構造からわかる頭皮への重要性
コラーゲンは、コラーゲン分子というものから成り立っています。コラーゲン分子は、3本のタンパク質が鎖のように絡み合った3重らせん構造の分子です。
この細長い棒状の長いコラーゲン分子がいくつも集まって、コラーゲン繊維というものを作ります。さらに、このコラーゲン繊維が束になって大きなコラーゲン繊維となり、網状にきれいに分布して、皮膚や骨や腱などの組織を支える役割を果たしているというわけです。
コラーゲン繊維はバネのようにしなやかで体の各部位の結合組織として働きます。非常にしなやかで強度のある組織で、真皮や骨をしっかり支えていることで健康な体を維持しているのです。
皮膚におけるコラーゲンの構造を見てみましょう。真皮は約2ミリある肌の主な層で、3層構造になっています。真皮のタンパク質の多くは網目状のコラーゲンで作られており、エラスチンやヒアルロン酸などともにハリと潤いのある肌を維持しています。
※コラーゲンはバネのように皮膚のハリを支えている
育毛に良いとされるコラーゲンの種類
コラーゲンは一つではなく、実に28種類もあります。皮膚に存在しているのは、その中の9種類です。代表的なコラーゲンとしては1型、2型、3型、4型、5型の5種類があります。
中でもよく知られているのは1型コラーゲンです。線維を形成するコラーゲンで、体内に一番多くあるコラーゲンになります。皮膚や骨に多く存在して弾力性を持たせる役割を担っています。
2型コラーゲンは軟骨の繊維を作るコラーゲンで、関節・軟骨や角膜・硝子体などを形成します。3型は臓器や血管、子宮などの組織にあるコラーゲンで、4型は細胞の周囲の基底膜に存在します。そして、5型は血管を形成するコラーゲンになります。このように、一口にコラーゲンといってもさまざまなタイプのものがあり、人の体を支える働きをしているのです。
17型コラーゲンで髪が生える?
コラーゲンのなかで髪に影響を与えるものとしては、「17型コラーゲン」があります。
東京医科歯科大学難治疾患研究所 幹細胞医学分野の西村栄美教授の研究から、17型コラーゲンには白髪と脱毛を抑える効果があることがわかりました。
白髪になる仕組みを解明した教授が毛包幹細胞を調べた結果、17型コラーゲンが発毛を活性化する毛包幹細胞を維持するのに役立っていることがわかったのです。
17型コラーゲンは、通常のコラーゲンとは性質が異なります。通常のコラーゲンは、皮膚や軟骨の柔軟性や弾力を保っているものです。
一方、17型コラーゲンは、幹細胞を基底膜と呼ばれる部分につなぎとめておく役割を果たします。これにより細胞が健やかに保たれ、抜け毛や白髪を抑えられることになるのです。
髪の毛が生える仕組みとコラーゲンの作用点
注目を集めている「17型コラーゲン」ですが、これがどんなコラーゲンなのかについて説明する前に、まずは髪の毛が生える仕組みについて理解しておきましょう。
まず、髪の毛の構造について学びましょう。毛は表面に出ている部分だけでなく、皮膚表面の奥から生えています。頭皮の表面から出ている部分を「毛幹」といい、いわゆる髪の毛です。表面に出ていない部分は「毛根」と呼ばれています。毛根の底には「毛乳頭」があります。ここには毛細血管が入り込んでいて、毛細血管から運ばれてきた毛の栄養を受けとります。この毛乳頭のそばには「毛母細胞」があり、毛乳頭からの栄養分を使って細胞分裂を繰り返し、毛髪が成長していきます。これが髪の毛が伸びるメカニズムです。
毛根の部分をさらに細かく見てみると、毛根を取り囲むように毛包があり、この中に発毛に関係がある2種類の幹細胞、「毛包幹細胞」と「色素幹細胞」があります。毛包幹細胞は毛を作る細胞で、色素幹細胞は色素を作る細胞です。この2つの幹細胞が健康なときは、毛髪が成長します。逆に、何らかのダメージを受けると、白髪や脱毛が起こります。17型コラーゲンは、この毛包幹細胞を健康な状態に維持するのに大きな役割を果たしているというわけです。
髪の毛を生やす細胞の働き
次に、髪の毛が生える仕組みについて見ていきましょう。髪の毛は一定のサイクルで生まれ変わり、新しい髪が生えると古くなった髪は抜け落ちます。髪の毛の生まれ変わりサイクルは、成長期・退行期・休止期の3つの段階を、一定周期で繰り返します。このヘアサイクルが何らかの原因で乱れると、抜け毛や薄毛を引き起こすことがあります。
成長期は、2〜5年程度の長い期間になります。この時期は髪の毛が成長する期間です。成長期には「毛母細胞」と呼ばれる細胞の分裂が活発になって、新しい髪の毛が成長していきます。最初は産毛のようだった毛が、ゆっくり長い時間をかけて長く太い毛になっていくのが成長期です。
次にやってくるのが退行期です。この時期になると毛母細胞があまり活発でなくなり、髪の毛の成長が徐々に止まっていきます。そして、最終的には休止期を迎えて、毛母細胞が活動を停止し、髪の毛が抜けます。そして、再び成長期を迎えるというのが、髪の生まれ変わりサイクルです。
このように、髪の毛を成長させるのは「毛母細胞」です。毛を作る「毛包幹細胞」と毛に色をつける「色素幹細胞」の2つの幹細胞が細胞分裂を繰り返して、細胞の元が毛母細胞に供給されます。毛根の先にある毛母細胞は、毛乳頭から血管を通って届けられる栄養分を受けとって、供給された細胞の元を使って細胞分裂を繰り返していきます。このサイクルの中で新しい髪の毛が生えるという仕組みです。
17型コラーゲンと髪の毛の関係
続いて、17型コラーゲンについてみていきましょう。毛髪は、頭皮の中にある毛根の先にある毛球で作られていて、毛球には毛乳頭と毛母細胞があります。毛乳頭から栄養を得て、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長していきます。
バルジ領域と呼ばれる部分には毛包幹細胞というものがあり、それが毛母細胞の細胞分裂の元となる細胞を作っています。毛母細胞はこの細胞の元をもらって、毛乳頭から栄養を受け取りながら細胞分裂をして髪の毛を成長させていきます。
17型コラーゲンは、特殊なコラーゲンで、毛包幹細胞でだけ生成されているものです。17型コラーゲンは、毛包幹細胞の膜を通り抜けて働く特殊なコラーゲンで、毛包幹細胞を基底膜につなぎとめておく役割を果たします。さらに、色素幹細胞というものが毛包幹細胞と隣り合って存在しています。
毛包幹細胞は毛をつくる細胞を生み出すという役割を持っていて、色素幹細胞を維持する役割があります。毛包幹細胞に存在している17型コラーゲンは、毛包幹細胞だけでなく色素幹細胞の働きを維持する役目も持っているということが最近になってわかってきました。
17型コラーゲンは髪を育てる毛包幹細胞の働きを維持して抜け毛をまず防止します。そして、同時に、髪に色をつける色素幹細胞の働きも維持して白髪を防止するという2つの作用を担っていることになります。
17型コラーゲンの髪に与える役割
17型コラーゲンの役割について、少し詳しく見ていくことにしましょう。17型コラーゲンは、ひと言でいうと、毛包幹細胞と色素幹細胞の維持に役立っている特殊なコラーゲンです。
毛包の中にあるバルジ領域というところに毛包幹細胞は存在しています。そして、実はそこに髪に色を与える色素幹細胞というものも存在していることが最近になって発見されました。
髪を作る毛包幹細胞と髪を黒くする色素幹細胞は、互いに隣り合ってワンセットになっており、毛母細胞が細部分裂をして新しい髪の毛を作るために、元になる細胞を作って毛母細胞に渡しています。
つまり、毛包幹細胞と色素幹細胞が正常に活動していないと、毛母細胞でも正常に髪を作ることができなくなるという仕組みです。
この毛包幹細胞に、17型コラーゲンが存在しています。カギのような特殊な形をしたコラーゲンで、体内でも毛包幹細胞にしか存在していません。17型コラーゲンは、毛包幹細胞が存在している基底膜のところにあって、毛包幹細胞を基底膜に係留する役目を果たしています。
17型コラーゲンがなくなってしまうと、毛包幹細胞が基底膜から離れてしまい幹細胞としての機能を失ってしまいます。毛包幹細胞は色素幹細胞を維持する細胞でもあるので、毛包幹細胞が機能しなくなると色素幹細胞も機能できません。こうなると、毛母細胞に細胞分裂の元となる正常な細胞を与えることができないので、抜け毛や薄毛、白髪が増えてしまうというわけです。
つまり、17型コラーゲンは毛包幹細胞にあって、色素幹細胞も維持し、毛母細胞の正常な活動を支える役割を果たしています。そして、髪の毛の成長を助け、抜け毛を防ぎ、髪を黒く保っているコラーゲンなのです。
17型コラーゲンが減るとどうなるのか
17型コラーゲンが減ると、髪は一体どうなってしまうのでしょうか。17型コラーゲンは、加齢に伴ってだんだん減っていきますが、17型コラーゲンの減少と白髪や薄毛には因果関係があることがわかってきました。
髪の毛に色がつくのは、毛根にある色素細胞の働きです。新しい毛母細胞には色がついていませんが、色素細胞が生成するメラニンによって色がつけられます。ここで何らかの理由で色がつかないと、黒髪ではなく白髪になってしまいます。この色素細胞の元になるのが、色素幹細胞です。
色素幹細胞は一定の場所にしか存在できません。色素幹細胞が働きを維持できなくなるケースとして、毛を作り出す毛包幹細胞が生成する17型コラーゲンが、サイトカインを通して色素幹細胞にも影響し、幹細胞を維持できるような仕組みになっています。2つの幹細胞が正常に維持されるためには、17型コラーゲンが必要だということです。
したがって、17型コラーゲンが減ってしまうと、幹細胞が維持できなくなり、髪を育てたり色をつけたりすることができません。その結果、白髪になってしまったり、脱毛が進行して薄毛になってしまったりというメカニズムになっています。
17型コラーゲンは食べ物からは増やせないのが難点
ここまで解説をして、では17コラーゲンは育毛剤や食事で増やせるのか?というと現状はそうではない点に注意が必要です。
・「17型コラーゲン」は通常のコラーゲンとは性質が異なるものです。当研究室が確認した限り、市販されている製品の中に「17型コラーゲン」を配合しているものはなく、当研究室では17型以外のコラーゲンもしくは「17型コラーゲン様」の物質については薄毛・脱毛に対する効果を確認しておりません。
・「17型コラーゲン」は、一般的に知られるコラーゲンとは異なる膜貫通性コラーゲンであり、毛包細胞表面に結合してのみ効果を発揮するものです。当研究室の研究成果は、17型コラーゲンを頭皮に直接塗布したり、食品として摂取したりすることによって、薄毛・脱毛に対して改善の効果を与えることをうたったものではありません。
参照リンク:研究元の東京医科歯科大学も注意喚起をしています
17型コラーゲンは加齢とともに減ってしまい、減ってしまうと白髪や薄毛の原因になってしまいます。現段階では、残念ながら17型コラーゲンを増加させる方法はまだ見つかっていません。17型コラーゲンは通常のコラーゲンとはまったく別のコラーゲンです。17型コラーゲンを他のコラーゲンのように、注射などで外から注入するのは不可能です。
また、一般的にコラーゲンを多く含むとされている食べ物を摂取したとしても、コラーゲンの種類が違うので、17型コラーゲンを増やすことはできません。市販されているコラーゲンを摂取してもまったく別のコラーゲンなので、17型コラーゲンが増えるわけではないことに注意が必要です。サプリなど市販されている製品の中に、17型コラーゲンを配合しているものはまだありません。この点をきちんと認識しておくことがとても重要です。
ですから、今の段階では、増やすということよりも17型コラーゲンを減少させないことが大切になります。17型コラーゲン自体がまだ発見されて間もない新しい成分です。17型コラーゲンをどうすれば減らさないようにできるのか、治療薬や増やすための研究が行われていますが、成果が出るのはまだもう少し先のようです。
コラーゲンを含む食材を育毛に活かしていく知識と方法
コラーゲン商品はいろいろありますが、体のためにとコラーゲンを摂取しても、そのまますべてが体内に吸収されるわけではありません。コラーゲンの体内への吸収率が低いのには、いくつか理由があります。
まず、コラーゲンを食べても、それが体の中にそのままの形で運ばれ、機能するわけではありません、食べ物が胃で消化されるように、コラーゲンも体内で消化されていきます。
コラーゲンはタンパク質の一種ですが、タンパク質は胃や腸で分解されるとアミノ酸になり、体に吸収されます。アミノ酸は体内のいろいろなところで、タンパク質として再合成して取り込まれます。ですから、食材のコラーゲンがそのままコラーゲンとして吸収されることはまずありません。
また、コラーゲンは高分子タンパク質なので、水に溶けにくいという性質を持っています。人の体の大部分は水でできているので、水に解けにくい性質のものは、体内への吸収率が悪くなります。これも、コラーゲンが体内に吸収されにくい理由の一つです。コラーゲンを体に吸収されやすい形にしたものが、いわゆるコラーゲンペプチドです。
食事で意識していくべきコラーゲンペプチドとは
ペプチドとは、タンパク質を分解してより小さな分子にしたものをいいます。コラーゲンペプチドは、効率よくコラーゲンが摂取できるように体内に吸収されやすい形に加工したタンパク質のことです。ペプチド化することで、コラーゲンを水に溶けやすくし、体への吸収性率を高めています。
コラーゲンに熱を加えて抽出したものが、ゼラチンです。そして、酵素などを使ってさらにゼラチンを細かく分解したものがコラーゲンペプチドになります。コラーゲンペプチドは分子が細かいので、素早く体内でアミノ酸に消化して、分解されるのが特徴です。そのアミノ酸が、コラーゲンの合成に役立ち、コラーゲンの吸収を高めるというわけです。
コラーゲンペプチドは、冷やしても固まらないため、パウダー状などに加工したものも販売されています。世の中で多く市販されているコラーゲンペプチドは、豚由来のものがほとんどです。
コラーゲンペプチドが髪に与える影響
実際にコラーゲンペプチドが髪に良い影響を与えた例としては、コラーゲンペプチドの摂取によって髪が太くなったという実例があります。
横浜労災病院皮膚科部長の齊藤典充先生が、コラーゲンペプチドが髪にどのような影響を与えるのかという検証実験を行ったところ、興味深い結果が得られたのです。
まず、健康な女性64人を2つのグループに分けて、一方のグループにはコラーゲンペプチドを与え、もう一方のグループにはプラセボというデキストリンを与え、毎日5gずつ、8週間にわたり食べてもらうという実験を行いました。
すると、コラーゲンペプチドを摂取したグループの方が、プラセボを摂取したグループよりも、明らかに毛髪の太さが増していたというのです。髪の状況について尋ねたところ、コラーゲンペプチドを摂取したグループでは、髪のまとまり・ツヤ・なめらかさなどが改善し、しっとり感・指どおりも良くなったと感じる人が多くなりました。
この実験からは、コラーゲンペプチドが胃腸で分解されずに毛乳頭に入って良い作用をもたらしたことが推測できます。腸で吸収されたコラーゲンペプチドが血液の流れにのって毛乳頭に届き、毛乳頭細胞に良い影響を与えたのではないかということで、大きな話題を呼びました。球種されにくいコラーゲンも、ペプチド化することでダイレクトに髪に良い作用を与える可能性があるということになります。
コラーゲンペプチドで髪が太くなる理由
検証で髪が太くなった理由について、齊藤典充先生の推測によれば、研究で使用したコラーゲンペプチド飲料には、腸で分解されずにそのままの形で体に届くものがあるので、それが髪にうまく運ばれた可能性があるとのことです。
コラーゲンペプチドは腸で吸収されて血管を通り運ばれますが、髪の毛の場合、血管は毛根部分の毛乳頭の中に下から流れ込んでいるので、毛乳頭細胞にコラーゲンペプチドがきちんと届いて、良い作用をもたらしたのではないかと推測できるとしています。
今回、コラーゲンを分子の細かいコラーゲンペプチドにしたものを使ったことで、腸でそのままの形で吸収されて、血管の流れにのって全身に運ぶことが可能になりました。毛髪の場合、髪の成長を司るのは毛母細胞で、血管を通じて栄養を受け渡されるのは、毛母細胞の下にある毛乳頭です。
そのため、毛乳頭に届いたコラーゲンペプチドがそのままの形で毛母細胞に働きかけることができ、毛母細胞の働きが活発になって髪の健康を促したという推論になります。
できるだけコラーゲンを摂取するには?
コラーゲンを薄毛に役に立てるなら、コラーゲンペプチドを利用することが良いということがわかりました。では、コラーゲンペプチドの飲料やサプリを、できるだけ効果的に摂取するにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、サプリなどは定量を守ることがとても重要です。早く効き目を感じたい、たくさん飲めば効果も強く出るはずだといって、一日の服用目安を超えてたくさん摂取する人がいますが、意味がないどころか体に有害にもなりかねません。一度にたくさん飲んだからといって効き目に差はありません。それよりも大事なのは、決められた量を守って継続して飲むことです。
飲むときのタイミングも重要です。夜寝る前の時間帯に飲むことをおすすめします。夜の20時から夜中の2時は、肌のゴールデンタイムともいわれています。
この時間帯には成長ホルモンの分泌が盛んになり、肌の新陳代謝が促される時間です。ですから、この時間帯に寝て、その前にコラーゲンを摂取すれば、寝ている間に肌の生まれ変わりをスムーズにすることが期待できます。
摂取するときは、コラーゲンの合成を助ける成分を一緒に摂りましょう。たとえば、コラーゲンを合成する成分であるビタミンCを一緒に摂取すれば、相乗効果でコラーゲンの吸収を高めることができます。ビタミンCの美肌作用も同時に得られて、まさに一石二鳥です。
まとめ:コラーゲンはまだ研究段階ながら有効活用の可能性は高い
健やかな髪とコラーゲンをはじめとするいろいろな成分との関係については、まだ研究が始まったばかりで、未解明な部分を多く残しています。これからさまざまな発見が期待できる分野ですが、まだわからないことも多いので、正しい情報を取捨選択することが大事です。
たとえば、コラーゲン17型に関する商品についてはまだ研究段階で、今後の研究の動向が注目されますが、正式に商品化されたものはまだありません。コラーゲンペプチドについても、実験で一定の効果が認められたものの、なぜ髪によいのかということに関しては推測の段階にすぎません。どちらもとても興味深い研究ですが、まだ科学的には証明されてはいない点に注意が必要です。今後の研究成果を、じっくりと見守っていきたいところです。
もし薄毛や抜け毛が気になっているなら、まずは、今の段階で髪の健康のために自分でできることから始めるのがよいでしょう。専門クリニックなどで適切な治療を受けたり、市販の育毛剤によるヘアケアを行ったり、栄養バランスのとれた食事を心がけたりと、すぐにできることはたくさんあります。コラーゲンを摂取するのもよいですが、髪との関係はまだ実験段階で、効果について確証が取れたものはまだありません。あくまでも補助的に取り入れることをおすすめします。髪の健康のために今できることを積極的に取り入れて、健康で生き生きした美しい髪を手に入れましょう。