遠赤外線は似非科学?育毛に良いという噂の真意
遠赤外線という名前自体は良く知られているものですが、健康分野でも度々もてはやされることから、育毛にも効果があるのかどうかが気になります。
今回は遠赤外線が育毛、髪の毛の成長や抜け毛防止に効果的な影響があるのか?という視点でまとめていきます。
遠赤外線に関する嘘とホント
そもそも遠赤外線というのは熱を送る光ことをいいます。赤外線との違いは波長の長さであり、より波長が長いのが遠赤外線です。太陽光線の一種で、ガンマ線やラジウム線なども遠赤外線の一種です。
よくある勘違いが、長い波長をもつ遠赤外線は身体に当てることでより深いところまで浸透し、効率的に身体を温めることができるというもの。
実はこれは物理学的にも誤った訴求であるとし、専門家によっても詳しく解説されています。参考:遠赤外線加熱の嘘の宣伝について
遠赤外線は熱を送ることはできても、それそのものが熱を持っているものではなく、体内に熱を発生させるものではないということ。人間の体も遠赤外線を発しており、これは人間も熱を持っているからにすぎないということ。
遠赤外線を受けることで頭皮が温かくなり、血行が促進されて髪に栄養を与える・・・・というような図式は遠赤外線では成り立たないということです。
遠赤外線の効果でネットを調べれば、あるで夢のようなパワー持つかの如く開設されたサイトが目立つのですが、専門家の検証した情報などを調べれば違和感だらけです。
科学的に検証された研究データがネット検索ではあまりクローズアップされない(上位に表示されない)のが問題ではないかと。この記事もどこかから突っ込みを入れられそうな内容になっていますが、遠赤外線について物理的にどういう作用をするのかを詳しく見るほど、なぜ健康効果がもてはやされるのかは理解できなくなってきます。
遠赤外線が浸透して頭皮の細胞を活性化させる?
遠赤外線による育毛効果の一つの仮説として、体内に浸透して髪の毛を生成する細胞を活性化させるというような理論があります。
こちらもややオカルトチックな理論があふれかえっており、遠赤外線による波動が体内の水分子を振動させることで毛細血管の拡張や、代謝機能を向上させるという説明がなされています。
しかし遠赤外線はそもそも体内にはほとんど浸透せず、浸透したところでそれが波動をもたらして細胞を刺激するような学術論文はないです。
遠赤外線で髪を育てる毛母細胞や毛乳頭細胞が活性化して、髪の毛の成長が早くなる・・・という効果も残念ながら期待できないということになります。
なんというか水素水と同じような臭いを感じるのは私だけ?
遠赤外線の代表格「岩盤浴」はどうなの?
ラジウムなどの天然石は遠赤外線をたくさん放出するとして、サウナであるとか温泉でもPRされていますが、改めて言う通り遠赤外線は体内には浸透しないので、遠赤外線による効果があるとは言えないものになります。
地熱による熱そのものを、遠赤外線によって放射しているにすぎないということ。直接火にあぶられるのと違い、じわじわと熱が浸透していくために体温が上昇し、大量の汗をかくことができるだけです。
汗をかき老廃物を排出することはそれは良いものですが、遠赤外線による直接の健康効果とはまた別の話。例えば普段のお風呂においても、時間をかけてぬるめのお湯で半身浴をして汗をかくということでも効果自体は変わらないのです。
じっくりと温まって汗をかくことは、自律神経のバランスを正常化し、血行も促進されますので髪の毛の成長には良いことです。
育毛課長によるまとめ
遠赤外線による育毛効果の是非について、ちょっと気になったので科学的な論文を探してまとめてみました。
こうしたものって良い良いとは言われていても、科学的に調べてみると根拠が不明なものってたくさんありますよね。少なくとも研究による明確なデータが発表されていないものに関しては安易に実践せず、科学的・医学的に解明されたものにお金を使っていく方が有意義な育毛活動ができるということです。
今後もこのような育毛に良いこと悪いことについては詳しく検証していきたいとおもいます。