リデンシルかキャピキシルかは育毛の目的で選ぶ
最近注目を集めている新育毛成分リデンシルとキャピキシルは、どちらが優れているのでしょうか。
副作用がなく、医薬品育毛剤を超える発毛促進効果が得られるとして、国内でも新成分を配合した育毛剤は知名度を増してきました。
しかし難しいのが、どっちを配合した育毛剤を使うべきか?という疑問。
育毛剤の製造工場に話を伺った感じでは、原材料のコストが高くてあれもこれも混合できない、まだ成分の組み合わせによる有用性が明らかではないとして両方配合したものはないというのが現状のようです。
リデンシル・キャピキシル育毛剤を使ってみたい!と思ったとき、それぞれの成分に期待される効果を調べて、自分の薄毛に適したものを使っていくと無駄がない育毛ができます。
どちらも共通点はミノキシジルを超える育毛成分
以前は代表的な育毛成分といえば、ミノキシジルやプロペシアが一般的でした。しかし、医薬品であることから副作用がゼロではなく、またクリニックでの処方薬であることから自宅でこっそり育毛派には難点もありました。
副作用の悩みを心配することなく使える成分として開発されてきたのが、リデンシル、キャピキシルといった成分です。
- ・リデンシルはスイスの化粧品原料メーカーであるインデュケム社が開発した成分
- ・キャピキシルはカナダの化粧品会社ルーカス・マイヤーが開発した成分です
それぞれが独自に臨床テストの結果データを公開しており、リデンシルはミノキシジルの2倍の効果、キャピキシルは3倍の効果があるということ。
あくまでメーカー独自のデータですが、一般的に育毛剤の成分できちんと公開できる臨床データがある成分はほぼありません。このことからも、新成分が注目される理由が伺えるわけです。
ここでまず疑問に思うのは、キャピキシルの方が効果3倍ということで優れているのでは?と考えてしまうかもしれません。
しかし、臨床試験の結果だけを見ると分かるのは、使用前と使用後の毛量の増加数をカウントしているにとどまります。
キャピキシルとリデンシル、それぞれは違った働きを持って作用する成分であるため、表面的な数字のすごさだけを見ては成分の効果は分からないことになります。
自分に合った育毛成分を選ぶためには、2つの成分の違いを理解し期待される効果について知るのが良いでしょう。
リデンシルの効果は毛根の幹細胞の保護と活性化
リデンシルは、セイヨウアカマツ球果エキスとグリシン、ピロ亜硫酸ナトリウムと塩化亜鉛、および茶葉エキスから作られた成分。
それぞれの成分は独自の働きを持っており、発毛に関わる複数の効果が公表されています。
他の育毛成分と大きく異なるリデンシルの特徴は、幹細胞に働きかける作用です。髪の毛を作り出しているバルジ領域にある幹細胞を刺激し、毛母細胞を活性化させます。
休止期や脱毛期にある髪が新しい髪と入れ替わるので、ハリやコシのある元気な髪が生えやすくなります。ヘアサイクルが整えられることで、脱毛を防ぐ効果が期待できます。
さらに細胞分裂を促すので、衰えて細くなっていた髪の太くする効果も期待できるものです。
リデンシルには頭皮の炎症を引き起こすインターロイキン-8を抑制する作用があります。頭皮の炎症は抜け毛につながるので、薄毛を改善するには頭皮環境を整えることも非常に大事。
しかし一方で、男性ホルモンの影響による薄毛(AGA)の原因となる、頭皮細胞内の脱毛酵素5α-リダクターゼ抑制作用は持っていません。
細胞そのものに働きかけて髪の毛を増やそうという仕組みではリデンシルが優れたエビデンスを持っています。
キャピキシルの効果は脱毛を起こす酵素の抑制と細胞保護
キャピキシルはアカツメクサから採られたビオカニン-Aと、アセチルテトラペプチド-3から作られています。
ビオカニン-Aは5α-リダクターゼ阻害作用があります。5α-リダクターゼは男性ホルモンのテストステロンを抜け毛の原因となるホルモン(DHT)に変えてしまう酵素です。
DHTが作られるとAGAになってしまうので、AGAによる抜け毛を防ぐには5α-リダクターゼを抑制することが欠かせません。
5α-リダクターゼには1型と2型の2つがありますが、ビオカニン-AはDHTが作られるのに関係する2型5α-リダクターゼの働きを93%も抑えるとしています。
キャピキシルのもう一つの成分アセチルテトラペプチド-3には、リデンシルとよく似た細胞活性化作用が公表されており、ホルモンによる遺伝的な抜け毛要因を抑えなが髪自体も育てるというのがキャピキシルの効果理論です。
どちらを使うかは薄毛に至る経緯や現在の状況から判断
リデンシルとキャピキシルはこのように違った作用を持つことが分かりました。
以上からどちらを使うべきか迷ったときには、今あなたの悩みの種である薄毛の状況・育毛剤を使う目的を振り返ってみましょう。
・年齢とともに徐々に毛が弱くコシがなくなってきた
・将来の薄毛に備えてそろそろ対策していきたい
・全体的に毛が細くて雨の日などに地肌が気になる
こうした悩みや目的の場合には、リデンシルを使う意義があります。
頭皮の細胞は30歳を超えたあたりから徐々に老化していきます。気づけば毛が細くなって、セットが決まりにくくなったという場合には、リデンシルによる細胞活性化作用が期待できるのです。
一方、以下の場合にはキャピキシルを検討します。
・最近急に薄毛が進行して老けた気がする
・生え際が後退してオデコが広がってきた
・何気なく鏡を見たらてっぺんの毛が薄くなっていた
これらはAGAという薄毛の特徴的な症状です。AGAは5αリダクターゼ酵素と男性ホルモンの結びつきで引き起こされますが、頭部で作用する部位が決まっているため、男性ならではの特徴的なハゲ方をしていきます。
キャピキシルは、5α-リダクターゼを抑制する優れた作用があります。キャピキシルは抜け毛の進行を食い止め、AGA対策をしたい人に向いているといえます。
どちらも副作用がない安心の新成分
リデンシルとキャピキシルはどちらも医薬品ではなく、副作用の心配ない植物由来の成分の組み合わせで構成されています。
口コミ情報を調べても、副作用に関する情報はないので安全性の高い育毛成分であることが分かります。
育毛剤を選ぶ際には、その他配合される育毛成分や、継続できる価格なども見なければいけませんが、主成分の作用を知ることで大まかな育毛剤の性質は見えてきます。
どちらも副作用の可能性はほとんどないですが、作用が高いだけに初期脱毛が生じるかもしれません。それは副作用によるものではなく、ヘアサイクルが正常になる過程で生じるものなので、慎重に経過を見ながら続けていきます。
育毛剤選びの要は、自分に合う育毛成分を見つけること。正しく使えば期待に応えてくれる育毛剤が増えてきましたので、あきらめずに毎日育毛ケアをしていきましょう。